マルチタスクとシングルタスク

もう二度と禁煙するなんて言わないよ

まず最初に伝えねばならないことがあります。禁煙を辞めました。もう二度と禁煙を始めることはないでしょう。

もし僕が禁煙をするとしたら、それは

のどちらかになるかと思います。社会の圧力には屈しません。たとえ違法になったとしても煙草を吸い続けます。煙草が吸えない場所というのは人が多い場所なのでこちらから願い下げです。そんな場所には行きませんし、行くくらいなら北海道で煙草をポイ捨てします。

マルチタスクはしんどいよ

久々に煙草をバカバカ吸ってみて(といっても最大でも1時間に1本くらい)感じたのですが、シングルタスクが圧倒的にやりやすくなっていました。おそらく全員が全員こういう効果を体感できるわけではないでしょうが、少なくとも僕はそう感じることができました。

人は油断しているとマルチタスクをしてしまいがちです。マルチタスクというか、ダラダラ作業でしょうか。ディスプレイが複数ある場合には顕著で、たとえばこうして文章を書きながらアニメを流したり、ゲーム配信を流したり、youtubeを流したりといったことが可能です。

理性的に考えてみると時間を無駄なく使えていることになるので良いことばかりな気がします。なんだかんだいっても時間が経てばメインの作業自体も進んでいきます。ですがこのダラ作業を続けていくと頭がスッキリしないんですよね。作業が終わったとしても、その時に感じられる達成感が少なくなっている気がします。

明確な科学的な根拠は挙げられませんがマルチタスクによって脳がボケッとする原因は、おそらく脳が疲労するからなんじゃないでしょうか。京極夏彦のように小説を執筆しながら動画を視聴する超人も居るそうですが、これは例外的な天才だからできることでしょう。凡人がそれをやると、

と、無限にメインとサブを行き来しなければならないので非常に疲れます。作業を真面目にやろうとすればするほど疲れるわけです。

それでもサブモニタの電源は落とせないよ

それならダラ作業は辞めてシングルタスクの状態にすれば良いじゃないかと人は考えます。ですが感情的にはどうしてもサブモニタを消す指が動かないのです。これが本当に不思議。

おそらく直前までしていたサブタスクへの未練が残っているのだと思います。youtubeを流していたとしたら、その動画から得られていた楽しさを断ち切ることが難しいのです。ハサミで臍の緒を切るように、それまで繋がっていたものを断ち切る感覚です。意志力を使いますしストレスも大きい。

微弱な快楽を断ち切るだけでとても消耗するのです。

その上サブタスクを断ち切ってシングルタスク状態にしてもなお、最初の10分くらいは脳がモヤモヤとしています。この時間もまた地獄。やらねばならない目の前のシングルタスクへは集中できないし、やる気は起こらないし、youtubeはまた見たいしで、このストレスの記憶が蘇るせいでサブモニタの電源を切れないことが多々あります。

まとめると

このコンボによってダラ作業が続きがちになってしまうのだと思います。

煙草って最高だね

シングルタスクの方が体験は良くなるとは分かっているのに、マルチタスク状態からシングルタスクへ移行する際のストレスが大きい、というのが問題でした。これはどうしたら解決できるでしょうか。

結論から言うと煙草を吸います。そうすれば全ての問題が解決します。やっぱり煙草って最高の嗜好品だったんだ。

燃焼時間が長めの煙草をゆっくりと1本吸うとちょうど10分くらいの時間がかかります。これがちょうど脳内の状態をあるタスクからあるタスクへ切り替えるのにかかる時間とピッタリなのです。

煙草の吸い方

煙草を吸いながらだとスムーズに意識の切り替えを行うことができます。自分の場合ですが

というのが定番の流れになります。ポイントは最初はスマホを開いているんですが、途中でスマホを閉じられている点です。通常の状態であれば、たとえばベッドの中だったりすればこんなにも簡単にスマホは閉じられません。微弱な快楽に負けてダラダラとニュースやTwitterを眺めてしまいがちです。

煙草を吸っていればニコチンでドーパミンがドバドバ出ているからか、もしくは煙草を吸う行為自体が暇つぶしになっているのか、理由は分かりませんがスマホを閉じることに抵抗感が無くなるんですよね。まれにめちゃくちゃ面白いニュースが発生していて閉じられないことがありますが、そんなに多くはありません。何もないときにスムーズにスマホを閉じられる、というのが重要です。

それに煙草を吸ってさえいれば何も無い空間をボケッと眺められる点も重要です。「何も無い空間を数分間ボケッと眺める」って行為は、自分の場合は煙草が無いとできません。これをすると自然と今やらねばならないことが頭に浮かんできますし、煙草を吸う前にやっていた行為への繋がりが断ち切られます。

最近オートバイの教習を始めたのでそこでのアナロジーを使うと、煙草を吸いながらボケッとする感覚はクラッチを切るという感覚に近いです。脳と作業の間にあるクラッチを切る。クラッチが切られればギアを切り替えることができます。気合でサブモニタの電源を落としてシングルタスクにしようとしているときは、半クラのままギアを変えようとしている行為に近いかもしれません。煙草を吸えば完全にクラッチが切れるので切り替えがスムーズになるというわけです。

煙草がなくても?

なかには「別に煙草を吸わなくたって、外に出て風景を10分間眺めればいいじゃないか」と言う人も居るかもしれません。残念ながらこれはできません。やってみたら分かりますが死ぬほど退屈だからです。youtubeで面白い動画を見ることに比べ、風景を10分間眺めることは苦痛です。苦痛なことはできません。

煙草を吸っていればニコチンへの渇望のおかげで身体が動きます。食欲も性欲も金銭欲も薄れつつあるなか、ニコチンへの渇望だけが強力な駆動力となります。寒い中コンビニにも行けますし、1時間に1回くらいはパソコンの前から立ち上がることができます。源泉がなんであれ行動できるってのは素晴らしいことです!

シングルタスクの練習

煙草によってかなり楽になるとはいえ、それでもシングルタスクには抵抗感があります。自分が思うに「孤独」への不安みたいなものが障害となってるんじゃないかと思うんですが、この辺りはまだ一考の余地があります。ただシングルタスク状態への”慣れ”が必要なのは確かです。

そこで個人的にやっているのがゲームを使った訓練です。マルチディスプレイの人はゲームをやる時にも片方のディスプレイは遊ばせていることが多いと思います。ここであえて電源を切ることで一人で一つの作業をしている環境を作り出します。

仕事や作業に比べればゲームのシングルタスクはハードルが低いと思います。常にやることがあるし、刺激はいっぱいだし、孤独感も少ないです。子供の頃はテレビに向かって一人でプレイしていたわけですから、昔を思い出せばシングルタスクでゲームしていた感覚を取り戻せるはずです。

それができてきたら映画やアニメをシングルタスクにすると良いでしょう。メモを取りたい人は片方の画面をテキストエディタで一杯にすると良いかもしれません。ここでも重要なのは繋がりを断つことです。繋がっている間はシングルタスク状態になれません。

それにすら慣れてきたら仕事や作業をシングルタスクで行います。音楽は流していても良いと思いますが、人の声がするラジオは繋がっている感覚に近いためオススメできません。意識を逸らさずに作業へ集中できるとダラ作業にはなかった爽快感が得られるはずです。その感覚を脳と身体に刻み込みましょう。

情報が多すぎるよ

なにも煙草を吸わなくても自分の中のクラッチを切るための手法が確立できれば良いのだと思います。ルービックキューブを回すとか、ストレッチをするとか、ノートに何かを書きつけるとか。どれもこれもつまらないし継続できなかったので、自分の場合はニコチンへの依存と渇望を利用しなければなりませんでしたが……

情報過多の世の中だと短時間で得られる情報量が多い方が”お得”な感じがします。けれども脳には限界があります。限界を超えると疲労により今まで楽しめたことが楽しめなくなったりします。注意していないと知らず知らずのうちに情報と快楽の海に溺れることになるでしょう。これは自分への戒めでもあります。積極的にシングルタスク状態に切り替えていきたいものです。日常を気分良く過ごせるかどうかはシングルタスクでいられる時間にかかっています。