深夜作業をしても良いとの許し

深夜に起きてても良いらしいです

いま『シリコンバレー式超ライフハック』という本を読んでいるんですが、一番の収穫は早寝早起き信仰から解放されたことかもしれません(それにしても邦題のダサさ、胡散臭さはどうにかならんのか)。

早寝早起き信仰

深夜に活動して作業をするのは一般的に良くないと言われています。起きた直後、つまり朝が最も人間の頭が働く時間帯であり、であるからには早寝早起きして作業するのが一番効率的であるというロジックです。

筋トレの観点でも早寝早起きは支持されています。成長ホルモンは22~26時の間に最も生産されるため、その時間帯に寝ていると身体が最も回復するという有名な話がありますね。

あとはイメージの問題もあります。夜はサクッと寝て、朝日が昇る時間帯から活動し、何かしらを生産する姿は理想的なように思えます。できることなら早寝早起きで健康的な生活がしたいと思うのは、至極妥当な考えでしょう。

でも深夜の方が楽しい

問題は自分が一番楽しく過ごせる時間帯が深夜である点です。朝早く起きたときも気分は良いのですが、どうしてもそれが自分の時間のようには感じられません。早朝の世界に満ちている空気と自分の存在との間に、正体不明のちぐはぐさが存在していてそれが拭えませんでした。

思い返せば前職を辞めたのも早起きを強制されたことが遠因にあるかもしれません。前職は朝8時半に始業だったのでそれよりも前に起きていなければなりません。基本的には7時くらいに起きていました。

もちろん慣れてくれば問題はないのですが、それをずっと続けていくとなんだか調子が狂っていきます。自分でありながら自分でないような感覚です。長期休み時に深夜まで起きていたりして帳尻を合わせていました。学生時代と同じですね。自分という人間はどうあがいても早寝早起きしている自分のことを好きになれないみたいです。

一方で、深夜にアニメを見て感動したり、お笑い動画を見てゲラゲラ笑ったり、積んでいるゲームをプレイしているときはとても幸せな気持ちになれます。誰かと一緒に何かをしているときもありますが、どちらかといえば一人で黙々と何かをしているときが最も幸福です。

印象深いゲームはどれもこれも深夜にクリアしました。最近だと(と言っても数年前ですが)『Undertale』なんかは深夜に無心でプレイしたのを覚えています。ああいった系統のゲームは深夜の空気が一番馴染みます。というか、シングルプレイのゲームはどれも深夜がプレイするに最適な時間帯であるような気すらします。

あと自分の好きなタイプのアニメも深夜の空気の方が馴染みます。『少女終末旅行』なんてまさに深夜に見るためのアニメです。あれを早朝に見てもなんにも面白くありません。それにたくさんの人々が活動しているゴールデンタイムに見るのもしっくりきません。やはり深夜です。

そしてこういった文章。こういう何の役にも立たない文章を書くに適した時間帯もやはり深夜ではないでしょうか。朝は他にやらなきゃならないことがあるし、日中や夜は社会がまだ活動しています。すべてが終わった時間帯にこそ、無益だけど楽しいことができるって寸法です。

深夜には役に立たないことができる

『シリコンバレー式超ライフハック』に載っていたのですが、深夜に活動するタイプはクリエイター、作家、プログラマーなんかに向いているらしいです。なにも自分はクリエイタータイプなんだ、ってことを言いたい訳ではありません。というよりも、社会にとって直接的に役に立たないことをするのに、深夜という時間帯が向いているだけなのでは、って気がします。

この中ではかろうじてプログラマーが社会っぽいですが、プログラムだって直接的に役に立っている訳ではありません。接客業や農家といった職業の方がよっぽど社会貢献していると思います。自分もプログラミングをしていて社会貢献している感覚は希薄です。プログラミングで仕事をしているときよりも、料理をしている時の方がよっぽど世界と繋がっている実感が得られます。

何が言いたいかというと、深夜に活動するタイプは「役に立たないこと」をやれる時間として深夜を無意識に選んでいるのでは、ってことです。まあ論拠も科学的根拠もなんにもない私の意見でしかないので、特に意味のある主張ではないですが。でも、そういう観点からみると深夜という時間帯がより深く理解できるような気がします。

深夜って時間帯は自由なんですよね。色々な束縛やしがらみから開放されている。誰かが連絡を入れてきたりしないし、やらなくてはならないことも存在しない。あとは寝るだから何をやっても咎められることもない。

怖いことがあるとしたら翌日の起床時刻が決まっていた場合、起きるのが遅くなって翌日寝不足になるのが怖いってことくらいです。幸いにも自分の場合はある程度まで何時に起きても大丈夫な環境にいるのでこういった不安もありません。

本題に戻る

『シリコンバレー式超ライフハック』の著者は深夜に執筆活動をしていたらしいです。これだけライフハックと呼ばれるものを実践してきた人間が、堂々と深夜に生産活動をおこなっていたという事実。これにはとても勇気づけられました。「あ、深夜に起きていても全然良いんだ」って。

健康とか生産性とかそういったものを追求して追求して、それでも深夜に起きている人間がいる。自分も健康や生産性は少し気にするタイプの人間なのでかなり衝撃的でした。いままでのライフハック系本だと、早寝早起き、夜は10時前に就寝、日が昇る頃に起床、起きた直後にこの本を執筆してました、って人間ばかりが著者として登場していたからです。

ある種の解放ですね。そんなの気にせず自分の好きなように生活すれば良いじゃん、って話でもあるんですが。本から得られる情報は重視してしまうタイプなのでそうもいきませんでした。社会的にも科学的にも経験的にも「早寝早起きの生活が最も効率が良い」と言われたらどうしようもないですからね。

自分自身の体験から言っても深夜に活動することへの疑問は拭えませんでした。絵を描いたり文章を書いたりプログラミングをしたりゲームをしたり、そういったことを深夜にやっていましたけれども、朝や昼間にやれればもっと効率が良いのに、とはどこかで思っていました。

自分としては本の著者から、深夜に好きなことをしていてもいいよ、と認められた気持ちでいます。本を読むと思ってもいなかった方向から影響を受けることがあります。うさんくさいタイトルの本でも気になったら読んでみるのが正解ですね。理性でなく直感を働かせないといけない。

部屋は暗くする

本によると深夜まで起きていて良い代わりに、寝室はできる限り暗くしなければいけないらしいです。光が部屋に入り込むと睡眠の質が下がるからですね。

引っ越してからというもの、朝日が部屋に入り込む上に非遮光カーテンを使用していたので、朝の7時くらいには寝室がLEDライトを点灯させた時よりも明るい状態になっていました。ですが本を読んでから急いで遮光カーテンを買い、寝室に朝日が差し込まないように密封しました。

特に考えずに「朝日が部屋に入るのは身体に良いだろう」と考えていました。ですが良く考えてみると、早朝の5時あたりに外が明るくなり始めるとしたら、そこから部屋がずっと明るいのでそれ以降の睡眠の質は激烈に悪くなるんですよね。9時に起きるとしたら、5時から9時までの4時間の睡眠が影響を受けることになります。

思い込みって怖いものです。人間なので思い込んでいることなんて星の数ほどあります。でもその思い込みに気づけるのって読書をしたときとか、誰かに指摘してもらったときとか、それくらいしかありません。漫然と過ごしていると思い込みは思い込みのまま変化しません。

「深夜に起きてたらダメそう」ってのも「朝日を部屋に取り入れた方が良い」ってのも思い込みです。今回は読書によってこの2つの考えた修正されたわけですね。何だか知らんけど良い体験をしたし、役に立つことを学んだなって報告でした。